さいたま赤十字病院
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休診日
土・日曜日・祝祭日・年末年始(12/29〜1/3)・創立記念日(5/15)・国民の休日
部門一覧
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薬剤部
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臨床工学技術課
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病理部
健診部

薬剤部

1.薬剤部概要
写真1:当院薬剤部スタッフ

写真1:当院薬剤部スタッフ

①人員

常勤薬剤師数
32名
薬剤部事務
2名
薬剤部パート
3名
院内CRC
3名

②薬剤部の理念と方針

日本赤十字の理念に基づき、医療の担い手としての自覚を持ち、その業務に当たる。

薬剤部は、安心で安全な薬物療法を提供し、薬剤師はそれに貢献する。

③専門薬剤師等 平成27年度

【日本病院薬剤師会】
認定がん薬物療法認定薬剤師;2人
感染制御認定薬剤師;1人
【日本医療薬学会】
指導薬剤師;1人
認定薬剤師;1人
【日本化学療法学会】
抗菌化学療法認定薬剤師;1人
【日本静脈経腸栄養学会】
栄養サポートチーム専門療養士;1人
【日本糖尿病療養指導士認定機構】
糖尿病療養指導士;1人
【日本臨床腫瘍薬学会】
外来がん治療認定薬剤師;1人
2.薬剤部業務

診療報酬改定からも、病院薬剤師に求められる業務は多様化しています。これまでの調剤・薬品管理・製剤業務をはじめ、病棟では服薬指導を中心とした患者ニーズに応える業務に留まらず、医師・看護師等医療スタッフの業務負担軽減や病院医療安全への貢献といった医療ニーズも大きくなっています。新病院への移転に伴い、そのような医療ニーズに応えるべく、供給業務の効率化や質の向上、それに伴う医療安全の向上を見据えた新規業務の開始など部内外への変革を提案しています。また、薬剤師一人一人の幸福感を満たせるような職場環境の整備も並行し、人的資源の確保とその活用といった組織運営に取り組んでいます。

①調剤業務

写真2:調剤をする蛭間薬剤師

㈱ユヤマの調剤支援システム・散薬監査システム・全自動散薬分包機・薬袋プリンタ・全自動錠剤分包機を導入し、これらを電子カルテシステムに連動させ調剤業務を行っています。また、薬品搬送は気送管搬送システムにより各病棟へ払い出すことで看護師および看護助手の業務負担の軽減と迅速な対応が可能となり、「正確かつ迅速、調剤から薬物治療を支える」を部署方針として、適正な薬物治療の推進に寄与しています。また、従来の外来院内処方患者に対する服薬指導に留まらず、中央業務の一環として病棟における定期処方配薬車セット業務を開始しました。システムの確立や専門性を活かした中央業務は、業務効率と質の向上ならびに人為的ミスの減少に繋がり、医療安全へ貢献できるものとなりました。(写真2)

②薬品管理業務

写真3:オペ室の注射カートの確認をする問註所薬剤師

㈱ユヤマのピッキングマシーン2台を使用することでより少人数でのオーダーセットと人為的ミスを減少させ、㈱トリオブッピンシステムプランズを用いた電子媒体による請求・供給・管理を実現し、適正な在庫管理による病院経営に寄与する体制を整えました。「物流を制する者は、病院運営を制する」を部署方針として日々、医薬品の適正管理に努めています。(写真3)

③製剤業務

写真4:抗がん剤の調製を行う道場薬剤師

当院薬剤部では、製剤課にて入院および外来患者の原則すべてのレジメン監査と室外排気型安全キャビネット(クラスⅡ B2)3台を使用した抗がん剤調製を行っています。調製には、原則すべての抗がん剤において閉鎖式薬物移送システム(ファシール○R)を使用し曝露対策を講じ、この度の新病院移転後よりアイソレーター(クラスⅢ)1台を採用し、さらなる安全性の向上に取り組んでいます。また、無菌製剤業務として、入院患者の高カロリー輸液の調製をはじめ、坐薬や点眼薬などの院内製剤の調製業務も併せて行っています。(写真4)

④医薬品情報室業務

医薬品情報室では、最新の医薬品情報を収集し、適宜、院内へDIニュースを配信するほか、薬剤部内での勉強会を企画し、薬剤師に対する情報提供や薬事委員会では事務局を担い、院内における医薬品情報の管理を行っています。また、調剤課と協同し電子カルテシステム、㈱ユヤマ部門システムの薬品マスタ管理や、病棟業務に従事する薬剤師と月一回の病棟業務検討会を開き、情報共有に努め、薬事に係る問い合わせ対応などのサポートも担っています。

⑤病棟業務

写真4:持参薬報告をする田村薬剤師

当院では、平成25年9月より病棟薬剤業務実施加算の算定を開始しました。現在は薬剤管理指導業務による患者指導に留まらず、「おはようからおやすみまで、他職種からの医療ニーズに応える薬剤師の育成」を部署方針として業務を行っています全入院患者に対し、電子カルテシステムを用いた「持参薬報告」(写真5)を行い、看護師の業務負担軽減や医師による誤処方の回避など医療安全に貢献しています。

⑥治験・臨床研究業務

治験事務局では、治験、臨床研究、製造販売後調査(以下、治験等)など、創薬から育薬までの円滑な医薬品開発の実施支援と品質向上、環境整備を行っています。 治験事務局は治験等を実施するうえで必要な手続きや記録の管理、院内スタッフのみならず治験等に関係する多くの人々の意見調整を主な業務としています。また、治験事務局では治験審査委員会事務局も兼務しており、当院で実施される治験等が科学的かつ倫理的に行われるよう支援しています。

3.チーム医療

① 感染対策

院内感染対策委員会の一員として、主に感染制御チーム(ICT)での活動を行っています。ICT薬剤師として抗菌薬の使用量の管理を始め、指定抗菌薬の届出管理、広域抗菌薬使用患者を対象とした抗菌薬ラウンドを医師、看護師とともに実施しています。また、近隣の病院とともに相互ラウンドや合同カンファレンスを開催し、地域としての感染対策にも参画しています。

② がん化学療法

現在、がん薬物療法認定薬剤師を中心に外来化学療法室での外来指導やレジメン審査委員会などに参画しています。今後は、がん患者指導管理料3の算定を目指し、体制の確立を検討しています。

③ 栄養サポートチーム

当院NST委員会では、年4回の全体会議を行い四半期の活動報告と問題点の抽出を始め、経腸栄養剤の品目の検討や院内向けの勉強会や講演会、セミナーを開催しており、委員の一員として委員会の運営に薬剤師も参画しています。NST回診は、救急医学科と一般診療科に分けてそれぞれ週に1回行い、薬剤師は栄養状態や病態を把握し、輸液栄養の処方設計や薬物の治療介入の必要性、副作用の可能性を薬学的知見からアプローチしています。また、昨年より薬剤師が中心となり、簡易懸濁法を嚥下障害患者の頻度が多い病棟より開始し、今後は院内全体へ普及させる予定です。

④ 緩和ケア

緩和ケアチームでは、緩和ケア科の医師、看護師とともに週一回のカンファレンスを行い、各科からのコンサルトに応じています。その中で薬剤師は主疾患や合併症、それに伴う治療薬を把握し、緩和治療をサポートしています。また、院内外の医師を対象とした緩和ケア研修会を定期的に開催し、会の運営に参画しています。

⑤ 糖尿病ケアサポートチーム

当院では、糖尿病内分泌科の医師、薬剤師・看護師・栄養士・理学療法士・臨床検査技師を中心に糖尿病治療の向上に努めています。年一回、世界糖尿病デーに合わせて他科の診療科医師にも協力をいただき、糖尿病市民公開講座を開催しています。講座では、寸劇を用いて患者さんに分かりやすく病態や治療、合併症などに関する啓もう活動を行っています。

⑥ 吸入指導

当院では、呼吸器内科の医師と呼吸器内科病棟担当薬剤師が主体になり、院内スタッフと地域の保険薬局薬剤師を対象に各吸入器デバイスの特徴を確認・情報共有する勉強会を年に一回開催しています。また、各デバイスの手技に関するチェックシートを作成し吸入指導の統一化を推進しています。このチェックシートをお薬手帳に貼付し、外来・調剤薬局・入院と継続的に運用することで、患者さんの吸入手技の向上・維持に努めています。

⑦ 災害対応

当院の基本方針にも掲げているように、日本赤十字社の使命として災害時の救援活動は薬剤師にも必要であると考え、当院常備救護班には薬剤師の人員を確保し、要請に応じて対応出来る体制を整えています。東日本、熊本での地震災害には当院薬剤師も多数救援に出動しました。これまでの災害医療には、医師と看護師のみが医療職として救援活動にあたっていましたが、薬剤師の帯同で活動の幅が大きく広がるという評価もされています。

4.学生実習

当院では現在3期に渡り、学生実習の受け入れを行っています。

調剤から始まり、管理、製剤、病棟等各課の実務的な実習に留まらず、DIのセクションでは薬事情報の収集、伝達手段を学ぶため、実際に製薬メーカーのMRを招きヒアリングを行い、薬事委員会後の薬剤部内勉強会の資料作成を体験学習する機会を設けています。また、多職種協同のチーム医療の一環として回診への参加や細菌検査室の見学など多岐にわたる内容を提供しています。加えて、実習終盤には、各大学より実習担当の教員を招待し、症例報告会を開催し実習成果を報告しています。今後は、アドバンスコースの受け入れや大学研究室との共同研究等も視野に薬学教育への参加も検討しています。

5.薬薬連携

さいたま市薬剤師会や与野医師会など周辺地域の関連団体と定期的に薬薬連携や病診連携の会を開催しています。その中で、プロトコールに基づく薬物治療管理(PBPM)の一環として、▽成分名が同一の銘柄変更(変更不可の処方を除く)▽内用薬の剤形の変更▽内用薬における別規格製剤がある場合の処方規格の変更▽無料で行う半錠、粉砕あるいは混合▽無料で行う一包化▽貼付剤や軟膏類の包装・規格変更▽その他合意事項——の7項目について院外処方箋の調剤時に疑義照会を不要とする合意書を地元のさいたま市薬剤師会と締結し、平成29年4月より運用を開始します。この取り組みは、全国の政令指定都市では初めての試みとして薬事日報をはじめ、各メディアにも取り上げて頂きました。今後も地域の薬剤師会をはじめ薬薬連携・病診連携の推進は継続的な課題として取り組む必要があると考えています。