部長
検査部長
副部長
副部長
副部長
医長
医長
医師
嘱託医師
医師
松村 綾
嘱託医師
野牧 萌
専攻医
廣見 晃子
専攻医
中谷 大輔
専攻医
糸川 勝博
専攻医
樋口 翔
専攻医
当院は地域中核病院かつ地域がん拠点病院であり、肺癌を含めた各種慢性疾患のみならず、重症肺炎、間質性肺炎、呼吸不全など重症救急患者さんへの対応も求められている病院です。地域住民の方々に対して少しでも貢献できるように日々努力して行こうと思います。
呼吸器領域は、肺癌を初めとした腫瘍性疾患、肺炎などの感染性疾患、気管支喘息などのアレルギー疾患、間質性肺疾患、COPDなどの喫煙関連疾患、肺血栓塞栓症などの血管疾患、気胸を含めた胸膜疾患、その他希少なびまん性肺疾患など多領域の疾患が混在していることから、確定診断が難しいとされています。的確なる治療をするためには、少しでも早く確実な診断をすることが重要であり、当科ではスタッフ全員で力を合わせて診断に努めています。
治療においては、個々の症例にとって最適な標準的治療を確実に行うことを目標にしています。そのためには呼吸器内科スタッフ間でのディスカッションはもとより、呼吸器キャンサーボード(呼吸器内科、呼吸器外科、病理科、放射線科の合同カンファランス)を通して肺癌の外科治療、放射線治療の検討を行います。他科との連携も呼吸器内科としては重要と考え、リウマチ膠原病内科、救急医学科と定期的にカンファレンスを行っています。また、入院患者さんにおいては、病棟看護師と日々コミュニケーションを取りながら診療するのみでなく、定期的に病棟カンファランスを行ない、診療、看護のレベルアップを図っているところです。
当院の医療施設としての特殊性から、当科ではすべての呼吸疾患に対応することが求められ、それに応えられるように努力しているところです。 2014年10月よりポリソムノグラフィー(PSG)の導入に伴い、睡眠外来を開設しました。(睡眠時無呼吸症候群など睡眠時呼吸障害に不安を持たれる方は連絡いただけると幸いです。)
また、2019年4月より難治性喘息の治療として、気管支サーモプラスティー(気管支鏡下温熱治療)を施行出来るように体制をとりました。現在難治性喘息の治療として生物学的製剤が進歩し、気管支サーモプラスティーが適応になる症例は限られているかとは思いますが、難治性喘息症例において常に気管支サーモプラスティーの適応の是非について検討して行こうと思います。気管支サーモプラスティーを検討すべき症例がいましたら、連絡をいただけたらと思います。
禁煙外来は木曜日の午後に行っています。当院ではチャンピックスによる禁煙治療を行っています。チャンピックス内服により禁煙成功率も高いことから、禁煙のことでお悩みになっている方がいましたら、当院の禁煙外来を利用していただきたいと思います。医師、看護師、薬剤師、事務職員みんなでタッグを組んでサポートさせていただきます。
入院患者さんにおいては、当科は58床を確保しながら診療を行っていますが、当地域における呼吸内科医師数の不足のためか、常時60人を超す入院患者さんの診療を行っています。
2018年度の呼吸器内科入院延べ数は1671名でした。
内訳は
です。
近年肺癌症例数の増加に伴い、当科における入院診療においても半数以上を呼吸器悪性腫瘍が占めていますが、感染症、間質性肺疾患、気胸、COPDなど多種多彩な疾患も入院診療しています。当院の立場上、重症呼吸不全を伴う呼吸器疾患症例が救急搬送、他医からの紹介を含め増加しています。超重症呼吸不全症例においては、当院救急医学科とタイアップしながら診療を行っています。
呼吸器診療の第一歩は、きちんとした診断をすることから始まります。
問診(喫煙歴、既往歴、職業歴など)、身体所見はもとより、血液検査、細菌学的検査、呼吸機能検査、画像検査を行い、最終的には病理学的検査を行い、確定診断をして行きます。
組織学的検索のための検査は以下のごとく多種類の検査があります。
当科では上記の検査すべてが施行可能です。
呼吸器疾患の組織学的検索において最も行われているのは気管支鏡検査です。
当院では2018年に気管支鏡検査を768例に施行しました。
内訳は
※1 EBUS-TBNA 〜 超音波気管支鏡によるリンパ節生検
です。
気管支鏡検査の最大の目的は組織診断(生検)をすることであり、当院においても気管支鏡施行768例中61%の471例に生検を行っています。気管支鏡検査は、過去の報告でまれながら死亡例の報告があることから、我々はより安全な検査を目指しているところです。
気管支鏡検査における重要な合併症のひとつとして気道出血があり、我々も気管支鏡施行時常に気道出血に注意しながら施行しています。
近年当科ではガイドシース併用気管支腔内超音波断層法(以下EBUS-GS法)を用いて気管支鏡検査(生検)を行っています。(2013年は生検症例の約50%にガイドシース法を用いて生検しましたが、2014年以降ほとんどの症例をガイドシース法にて生検をしています。)
ガイドシース法にはふたつの特徴があります。第一に、ガイドシース内に超音波を挿入し、病変を超音波で描出しながら病変部位の確認をします。病変部位が同定できると診断率は一気に上がるので再検査症例が減り、とても有用と思います。また、挿入したガイドシースを気管支内に残し、そのガイドシースを通して生検しますので、ガイドシースが蓋代わりをし、出血が抑えられます。当院ではガイドシース法を用いて生検をするようになってから、1例も重篤な気道出血はありません。
以上よりガイドシース法による気管支鏡検査は患者様にとって本当に有用な検査と考えています。もし気管支鏡検査の必要な患者様がいましたら、相談していただけたらと思います。
また、2018年よりびまん性肺疾患に対する組織診断目的にクライオ生検を導入しました。クライオ生検は組織を凍結しながら採取する生検方法で、通常の生検より大きい検体(1センチ大)が得られることから、呼吸器疾患、特にびまん性肺疾患の診断には有用です。当科では2018年に35例のクライオ生検を行いました。クライオ生検の結果は専門病理医を交えた他職種によるカンファレンス(MDD)を行い、総合診断に努めています。埼玉県内においてクライオ生検を施行出来る施設が限られていることから、他施設からのクライオ生検依頼のための紹介も多いです。
胸膜疾患の確定診断目的に当院では呼吸器内科医が局所麻酔下で胸腔鏡を行っています。1年に5例前後と決して多い検査ではないですが、悪性胸膜中皮腫を初め原因不明の胸水症例においては有用な検査と思います。今までに胸腔鏡による胸膜生検をすることにより、悪性胸膜中皮腫、癌性胸膜炎(胸水検査のみでは診断がつかず、胸腔鏡にて確定診断)、結核性胸膜炎(結核菌培養も可能です)、良性石綿性胸水(線維性胸膜炎)などが診断可能でした。
当科では呼吸器疾患に対する診療をオールマイティーに経験する事が可能です。診断ツールとしての検査機器もそろっています。また、呼吸器内科のスタッフ数も多いことから、色々な角度から指導を受ける事が可能と思います。
現在後期研修医の先生を募集しています。興味のある方は連絡いただけたら幸いです。
さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログ「彩の国呼吸器科」にて当科の紹介、呼吸器診療の現状、進歩など掲載してあります。興味にある方は読んでいただけると幸いです。